ぱんつの視界

見えたこと、匂ったこと、触ったことを、ぽつぽつと。

アルメニア人虐殺から100年

なんと3週間ぶり! 継続とは、かくも難しい……。

さて、日本のメディアではまったく取り上げられないと思うが、今年は第一次大戦の最中オスマン帝国が行ったアルメニア人虐殺から100年となる節目の年である。大規模な殺戮が始まったのが4月24日であることからこの日が虐殺された人々を追悼する記念日となっており、今週の24日前後には100周年のさまざまなイベントがアルメニアの国内外で企画されている。

殺された人数は150万人といわれ、虐殺から逃れた人々はオスマン帝国周辺のロシアやレバノンギリシャ、遠くはアメリカなどで新たな生活をするしかなく、現在アルメニア語を母語とする人口はおよそ700万人なのにその半分以上がアルメニア国外で暮らしているそうだ。

この虐殺があったことを現在のトルコ共和国政府は認めていない。オスマン帝国時代のことなのだから現在のトルコとは関係ないと思うのだが、虐殺に関わった高官たちがトルコ共和国建国につながる人々であるため、認めることができないのではないかと見られている。
この点、日本に通じるものがある。今月下旬にアメリカの上下両院合同会議で日本の首相が演説をするが、第二次世界大戦中の大日本帝国の行為を現在の日本国政府が否定したら、似たような状況になるだろう。いや、認めていたのを覆すんだから、トルコよりタチが悪い。

んなわけで、連休前に注目したいのは、トルコ共和国大統領が24日に何を言うか、日本国首相がアメリカ議会で何を言うか、だ。
せっかく英語を勉強していることだし、英語メディアで情報収集するつもり。最近の日本のメディアは肝心なポイントを伏せることが多いから、役に立たなくなってしまった。

昭和時代に比べれば、海外で働く人は格段に増えているし、日本国内にも外国人がたくさんいるし、テクノロジーの発達で通信も金融も国境の壁は低くなり、明らかにグローバル化が進んでいるのに、マスメディアは日本語の既得権を謳歌したまま全然進歩していない気がする。わたしはもう新聞を取ってないし、テレビのニュース番組(夜にやってる長いヤツ。5分間くらいのは観る)も観ていない。

15年くらい前のこと、フィンランドに行ったとき観たテレビのトップニュースが岐阜県の洪水だった。シリアでは東京の雑居ビルの火災を報じていた。井の中の蛙くんたちは「日本が重要な国で注目度が高いからだ」と言うだろう。はいはい、日本、すごい国。

さあ、このアルメニアの話題、24日の日本の新聞やテレビで流れるかな?